日本共産党可児市議団
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議会報告

大森川を汚染残土で汚させるな、リニア建設工事を問う

リニア工事の本格開始を前に、対策は万全か

可児市の山林、里山を汚染残土の仮置き場にさせるな!》

 可児市内のリニア建設工事の本格的な本坑掘削工事の前に、市民に報告です。
2019年6月定例会で、伊藤けんじ可児市議がリニア工事の進捗状況を質しました。この中で、汚染残土の仮処分場(一時仮置き場)に可児市の里山が「活用」されるかも知れないことが判明。(可児市大森財産区内の市山土処理ヤードの跡地2.4f)

 自然由来のものとはいえ、汚染土・鉄道建設に伴う産業廃棄物(産廃)が土壌汚染対策法の規制を受けるのは当然のことです。ですから、最終処分場が決まらない中で原因である黄鉄鉱がどれだけの量が掘り出されるのか分からない時に、安易に仮置き場にしてよいものか、厳しく問われています。

 後追いの事後対策では、環境汚染は防げません。残土の仮置場は、所詮、仮の構造です。お金をかけたくない事業者のやり方では、大森川の護岸が削れるほどの大雨(2010年7月15日災害)に対処できるのでしょうか。

 住民の不安はいっぱいです。

 リニア建設工事で掘り出した「汚染土壌」は本来の方法で、岐阜県が許可した汚染対策処理工場で処理すべきものです。
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解説: なぜ、汚染残土というのでしょうか。

 汚染残土とは、JR東海が発注したリニア新幹線の建設工事で、長大なトンネル掘削により発生する「掘削残土」の一部です。人体に有害な基準を超える濃度の重金属=フッ素、ヒ素、カドミウム等々を含有する、要浄化対策土壌のことを指します。

 可児市では市域出口から合計で120万リューベの掘削残土が排出される予定です。
可児市久々利大萱地区、大森地区からの地下土壌には、亜炭鉱や、黄鉄鉱を含む美濃帯土壌が含まれます。雨水や地下水、工事用冷却水などと反応し「硫酸イオン濃度」が上昇、土壌に含まれる重金属類を溶かし出すリスク・危険が大きくなります。

 わが故郷の「大森川」を再び汚してはなりません。

 みなさん、かつて大型団地の汚水処理場から汚水があふれ、大森川上流部で未処理汚水が川に流入し、河川環境を汚濁しました。日本共産党可児市議団は河川汚濁の原因をつきとめ改善をはかり、地域の皆さんと一緒に清流を取り戻しました。

 今度は、その元・下水処理場の近くで、三ツ池ため池の上流部に「リニア工事の汚染残土」、重金属類や黄鉄鉱成分を基準以上に含んだ汚染土壌が「仮置き」されればどうなるのでしょうか。汚染の拡散、公共水域への流出などは起こさせてはなりません。

 汚染残土の最終処分場を明らかにさせ、もしも仮置き場をつくるというならば、その保管量、方法、管理する期間、撤去の最終年限を明示させるべきです。
 なによりも、仮置き場にさせないことです。本来の処理工場に運ばせて処理し、地域の住民の命と暮らし、環境を守りたい。日本共産党市議団の願いです。

【伊藤けんじ議員の質問と部長答弁】

問 リニア新幹線工事問題の今の中心点は何か。来年度から本坑掘削工事を前に、排出残土置き場等計画の詳細は、依然不明だ。汚染土の仮置き場をため池近くに仮設する考えと聞くが、黄鉄鉱含有土壌による重金属等汚染・酸性水問題を繰返させないための対策はどうか。

答 大森財産区所有の可児市残土処分場跡地にJR 東海が要対策土の仮置き場建設を打診してきたが未定だ。JRは十分な遮水対策を行うと説明する。今後、要対策土の処理及び保管方法について、仮置き場の対応を含めて、JR環境保全計画の策定協議の中で県と連携し、十分な調整を図っていく。

 

 

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